広葉樹の板を買いに行く。

私たちの事務所のある南会津町では、かつて広葉樹製品の生産が盛んな地域でした。
国有林の伐採を行わなくなったため、生産量は大きく減少しています。
南会津町の天然林の割合(民有林)は、73.8%。天然林の95%が広葉樹林です。

この森にたくさんある広葉樹を生かしたデザインをしたいといつも考えています。

この日は南会津町の舘岩地区にある(株)オグラさんのきこりの店を訪問して、お施主さんと一緒に広葉樹の板材を選びました。
建物自体は、お客さんの先祖の森から伐採した杉の木を使いますが、
キラリと光るところに広葉樹を生かそうという計画です。

カウンターはケヤキの木。
框となる材料は、板材で。

ちょうどその時小椋社長がいらっしゃったので、板を見ながら説明を受けました。
どんな所にその木が立っていたのか、栃の木は白身が多い方が良いとされているけど、赤みも綺麗な板材。
この地域では、センの木を使った階段がステータスだったなど。
一枚一枚の板材のストーリーを聞きました。

今現代の家づくりは、ほとんどがカタログやサンプルから、建材を選んで、家が完成して行きます。
それが最近主流となっている家づくりです。

広葉樹の板一枚一枚を目の当たりにすると、それぞれの板が同じでない、出会いがあるように感じました。
工業化とは逆行するところですが、家づくりや建築づくりストーリーができる可能性があります。

森に近い、川上からできる建築づくりとしてデザインの可能性を広げていけそうな実感。
そして、ローカルの繋がりを魅力として売り出せる可能性があると感じました。

住宅の工業化の中で、使われなくなって来た広葉樹。
数が少なくてもキラリの光ってくる広葉樹。
林業のサイクルをまたすこしづつ動かせるように、僕たちとしても利用方法やデザインを考えていきたいと思います。

外の倉庫にも材料があります。

框材として使う部分です。

 

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