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びわのかげ 投球練習場

ローテクによる地域振興

本施設は福島県の復興のために長期的に利用可能な施設として、震災以降スポーツに関わる機会を制限された福島県内の子供たちが集える場として計画された。南会津地方の雪深い冬期間も利用可能なソフトボール用投球練習場である。本施設は地元の技術で生産できることを前提とし、南会津の工務店でパネル化した縦ログ構法を採用した。

建物概要
用途:投球練習場
延床面積:70.63㎡(1階建)
構造:縦ログ構法
施工:芳賀沼製作
設計:はりゅうウッドスタジオ+EDH遠藤設計室+江尻構造設計事務所
総工費:

ローテクによる地域振興
本計画は限られた工期と予算内での成立のため特殊材を使わず、地元の技術で施工できることが前提となった。その1つの策として縦ログ構法を採用し、全工程を地元の工務店主導で実施し、建て方から20日間ほどで完成までに至った。縦ログ構法は120×180材のスギ角材4本を通しボルトで一体化した縦ログパネルを工場生産し、現場で建て方を行う施工方法である。パネルを斜めに用いることで三次元曲面に配置し、面外方向への性能を向上させた。また構造には梁を必要とせず、ツーバイ材を積層したリング材を縦ログパネルの上に重ね、「たが」のように締めた構造とした。
ローテクな木質系施設の計画により、本計画は地元の林業や工務店など地域産業の循環にも影響を与えた。これからの地方における建設形態のモデルとなることを期待している。
現在はスポーツ少年団や部活動、地域レクリエーションの際に多様な年齢層に利用される施設となった。

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